(仮訳)ベリーズ産Cantharocybe属新種およびCantharocybe gruberiのタイプ標本に関する覚書
Ovrebo, CL., Lodge, DJ. & Aime, MC., 2011. A new Cantharocybe from Belize with notes on the type of Cantharocybe gruberi. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/103/5/1102.short [Accessed August 9, 2014].
【R3-00986】2014/08/09投稿

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3行まとめ

ベリーズの自然保護区で見出された菌について形態学的検討および分子系統解析を行い、Cantharocybe brunneovelutinaとして新種記載した。
本種は傘が褐色でやや粘性があり、柄が帯褐灰色で、突起状の付属物を伴う縁シスチジアを有することなどで特徴づけられた。
また、C. gruberiのタイプ標本を検討して新種との形態比較を行い、姉妹属Cuphophyllusおよび類縁属との差異を議論した。
Belize, Orange Walk District: La Milpa Field State, La Milpa Archaeological Site

(新種)

Cantharocybe brunneovelutina Lodge, Ovrebo & Aime
語源…褐色ビロード状の(傘の形態から)
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【よく似た種との区別】
Cantharocybe gruberi
子実体がカヤタケ型
子実体ががっしりとしている
柄が中実
子実下層が偽柔組織状で短い屈折性の織り合わさった菌糸からなる
襞実質がほとんど並列型
LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりベリーズではなく米国に分布する
本種と異なり傘が褐色系ではなくより淡色の黄色系
本種と異なり傘表面が平滑~細かいビロード状ではなく無毛
本種と異なり襞がやや垂生する歯を伴う直生ではなく長く垂生する
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅の平均値が小さい
本種と異なり担子胞子が狭楕円形~楕円形ではなく円筒形
本種と異なり縁シスチジアの付属物が突起状ではなく長い微突形で、頂部が頭状になることがあっても本種ほど急に膨らまない徳利形である
本種と異なり傘表皮が主にやや織り合わさった層から生じる毛状被ではなく織り合わさった平行菌糸被
本種と異なり傘表皮の菌糸が暗褐色ではなく淡黄色
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Cantharocybe gruberi (A.H. Sm.) H.E. Bigelow and A.H. Sm.
※本種のホロタイプ標本を検討したところ、原記載にある傘表面の特定の構造が確認されなかったほか、当初欠くとされていたクランプの存在が認められた。
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【よく似た種との区別】
Cantharocybe brunneovelutina
子実体がカヤタケ型
子実体ががっしりとしている
柄が中実
子実下層が偽柔組織状で短い屈折性の織り合わさった菌糸からなる
襞実質がほとんど並列型
LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくベリーズに分布する
本種と異なり傘が黄色系ではなくより濃色の褐色系
本種と異なり傘表面が無毛ではなく平滑~細かいビロード状
本種と異なり襞が長く垂生するのではなくやや垂生する歯を伴う直生
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子の幅の平均値が大きい
本種と異なり担子胞子が円筒形ではなく狭楕円形~楕円形
本種と異なり縁シスチジアの付属物が長い微突形ではなく突起状で、頂部が頭状になることがあっても本種のような徳利形ではなく急に膨らむ
本種と異なり傘表皮が織り合わさった平行菌糸被ではなく主にやや織り合わさった層から生じる毛状被
本種と異なり傘表皮の菌糸が淡黄色ではなく暗褐色
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される